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米ペンシルベニア州バトラーで2024年7月13日、シークレットサービス(大統領警護隊)らに囲まれるトランプ前大統領=AP
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 米ペンシルベニア州バトラーで、トランプ前大統領が選挙集会中に銃撃されてから20日で1週間となった。現地で何が起きたのか。犯行直前に、容疑者が取った行動とは――。集会に出ていた目撃者が朝日新聞のオンライン取材に応じた。

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 「屋根の上の男が銃を持っているぞ!」

 米ペンシルベニア州バトラーの農業施設で13日にあったトランプ氏の集会に参加していた同州の自営業マイク・ディフリシアさん(46)は、誰かがそう叫ぶのを聞いた。

 15メートルほど離れた倉庫群の建物の屋根の上で、半袖短パンの男が腹ばいになり、ほふく前進していた。男のめがねや長髪が風になびく様子が肉眼ではっきり見える。銃が肩にぴたりとつき、撃とうとしている瞬間だとわかった。

 遅れて行ったため、メイン会場には入れず、少し離れた場所でスクリーンに映し出されるトランプ氏を見ていた時だった。一緒にいた妻のアンバーさん(45)は近くの警察官に駆け寄って男の存在を報告。周りの人たちが逃げ惑う中、とっさに近くの木の陰に隠れた。別の警官は男のいる建物によじ登ろうと屋上のへりにぶら下がったが、手を離して地面に落ちた。

 米メディアによると、地元当局者が建物の屋根に上ろうとしたが、男に銃口を向けられ、対応を諦めた直後に発砲が起きた。演説中のトランプ氏は右耳を負傷。集会に参加していた男性1人が死亡、2人が負傷した。

 容疑者の発砲は6~8回程度とみられている。会場にはシークレットサービス(大統領警護隊)と地元警察の計四つの狙撃チームが配置され、まもなく容疑者は射殺された。

 男はマイクさんたちの方に顔…

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